専門バカと日本企業

前の会社で働いていたとき、特に新人の頃、お偉いさんたちから「専門バカにはなるなよ」と口酸っぱく言われてました。

まあまあ大きな会社だったので、スペシャリスト的にその製品しか分からない人間になるんじゃなく、他部署の製品とか業界のこととかもちゃんと把握しておけよ!て意味だと思うのですが、今になって思うとこの思想ってちょっと怖いと感じます。

 

多くの日本企業って、明確な理由のない異動、転勤がとっても当たり前。つまり会社の中で生きていくには、色んな社内の部署のことが分かるジェネラリストの方が評価されやすいんですね。

でもこれって、ホントに会社に飼われてるよなー、て、今になって実感します。

 

逆に今の会社では、専門をトコトン突き詰めろ、その業界でナンバーワンになれ、そして他人に負けない武器をいくつか持つことで、掛け算をすれば唯一無二の人材になれる、ということをよく言われます。

よく言われるやつですが、100人に一人の人材だとイマイチしょぼいけど、100人に一人×別の分野での100人に一人になれたら、それは10000人に一人の人材だ、というやつですね。

そしてこの会社は転勤とか異動は、会社都合では一切ない。自分がやりたい業界、自分がやりたいビジネスモデルを徹底的に追求できる働き方です。

 

どちらが健全かと言われたら…やっぱり自分としては、後者だよなーって思います。

 

てなことを、日々報道で賑わっている厚労省の毎月勤労統計の不正に関するニュースを聞いてて思いました。

だって「平成18年から不正が行われていたが、平成25年に、統計に詳しい課長が就任したことで初めて不正であることが発覚し…」て、お国の官公庁の大切な統計を扱う部署の○○長が統計に詳しくないってどういうこと?????そこは統計の専門家であってほしいもんです。

 

企業も官公庁も、ジェネラリストばかり育てて評価するこの風潮はいかがなものなのかなーと思いました次第です。だから就職じゃなくて就社だなんて揶揄されるんですよ。